圧力鍋とは


●圧力鍋とは
  私たちは、当たり前のようにご飯を炊いたり、料理をしたりしています。でも、富士山の頂上でご飯を炊くと旨く炊け無いのを知っていますか。富士山の頂上は、気圧が低いため約、90度で沸騰してしまい、芯が有るご飯になってしまいます。水は0度で氷から水になり、100度で沸騰して蒸気になりますが、この水の変化が、私たちに便利な食生活をもたらしてくれます。

富士山の件からも判るように、水の沸騰する温度と圧力は、密接に関係しています。圧力が低いと沸騰温度も低くなり、圧力が高いと沸騰温度も高くなります。圧力鍋はこの原理を応用しています。鍋を密閉して、火にかけると鍋の中で蒸気が発生しますが、蒸気は鍋の外に出られないので、鍋の中の圧力が高くなってきます。そうすると、簡単に蒸気が発生しづらくなります。蒸気が発生するときにエネルギーが使われるのですが、蒸気が発生しないので、鍋は更に温度上昇します。つまり、鍋を密閉すると圧力が高くなり沸騰温度も高くなるのです。

ここで、鍋に小さな穴を開けておきその穴の上に錘を載せます。鍋の圧力が高くなると蒸気が錘を押し上げて、蒸気を逃がします。錘の重さと蒸気圧のバランスが圧力鍋の原理です。このとき、錘の重りによって、圧力鍋の圧力が決まりますが、実際には、鍋の構造や材質を圧力に対応出来るようにしなければなりませんから、圧力鍋はガッチリして重い鍋になっているのです。

圧力鍋の圧力は、鍋によっても違いますが、ゲージ圧で大体、0.8気圧、温度で120度になります。高温で調理するので、短時間に調理する事が出来ます。通常、圧力鍋は、普通の鍋の3分の1の時間で調理出来ますので、時間の短縮は勿論、光熱費の節約にもなります。光熱費は、普通の鍋の4分の1とも言われています。

市販されている圧力鍋は、どの鍋を購入しても機能は同じなのですが、容量は勿論ですが、圧力が違います。(各圧力鍋のデータは、ここを参照)容量は、見て判りますが、圧力は、判りづらいですね。更に、判りづらくしているものに単位が有ります。一つの事を現すのに、いろいろな単位があり、どの単位系を採用するかは、その国の事情によりますので、国際的に単位が統一されていません。従って、圧力鍋も製造された国により、単位が違いますので、数字だけを比較すると判りづらいのです。

そこで、ここから圧力と単位の話をします。

 
●圧力と単位    少し、難しくなります。面倒な人は読み飛ばして下さい。
 ☆ ゲージ圧と絶対圧

よく私たちが住んでいるこの状態の気圧を大気圧とか1気圧と云います。工業の分野では、圧力を測る時に圧力計を使いますが、このときの大気圧を0気圧としています。大気圧を1気圧といった場合は、絶対圧の事であり、0気圧といった場合は、ゲージ圧です。ところが、通常、圧力の話をするときに絶対圧やゲージ圧と断りませんので、非常に判りづらいのです。これから、圧力鍋の圧力は、ゲージ圧で話を進めますので、大気圧=0気圧とします。また、圧力鍋のデータに記載されている圧力もゲージ圧で記載しますので、データ記載が0.8気圧の場合は、絶対圧1.8気圧と読み替えて下さい。

   絶対圧力=大気圧+ゲージ圧


 ☆ 圧力と単位お概算
    標準気圧 水銀柱 水柱(15℃)
Pa
N/m2
kgf/cm2
at
atm mmHg
Torr

mAq
1 1.0197 x 10-5 9.8693 x 10-6 7.50062 x 10-3 1.0197 x 10-4
9.80665 x104 1 0.9678 735.559 10
101325 1.0332 1 760 10.332
133.32 1.35951 x 10-3 0.001316 1 0.0135951
9806.65 0.1 9.678 x 10-2 73.5559 1
  • 1 Pa (パスカル) = 1N/m2
  • 1kPa=1000Pa=9.8693x 10-3atm
    SI(System International d'Unites)での圧力の単位はパスカルです。
     定義は組立単位そのままに、1平方メートル当たり1ニュートンの力となります。
  • 1 bar(バール ) = 100000 Pa = 750.060 mmHg = 1.0197162 kgf/cm2 = 0.98692313 atm
  • 1 at (アト:工学気圧) =1 kgf/cm2 = 98066.5 Pa(パスカル)
  • 1 mmHg(水銀柱ミリメートル) = 1.333224 hPa(ヘクトパスカル) = 133.322 Pa
     以前は圧力、気圧の単位として使用されていたが、現在の計量法では、血圧測定に限り使用が認められている。
  • 1kPa=1atm=1013hPa=760mmHg
      このとき、ゲージ圧は、0である。


 ☆ 圧力鍋
    0.8〜1.0キロ圧(ゲージ圧) 沸点 120℃
 ☆ 活力鍋
    1.45キロ圧(ゲージ圧、通常の1.6〜3.6倍の圧力)、沸点約128℃

     〜圧力と温度〜の関係
気圧(ゲージ圧) 1.0 1.4 1.9 2.6 3.5 4.6
沸騰する温度(℃) 100 110 120 130 140 150


●圧力なべの安全性
 ☆ 圧力調整装置
どんな圧力鍋にも必ず付いています。圧力鍋に圧がかかったときに、シューシューと蒸気が出てくるところです。重りがちょうど玩具の"やじろべえ"のように蒸気を噴出する穴の上に乗っており、内部の蒸気が一定になると、この重りを押し上げ、その隙間から蒸気が逃げ出すようになっています。

 ☆ 安全装置(セーフティバルブ)
万一、この"やじろべえ"の穴が詰まったときの文字通り非常口。圧力を早く外へ逃がすための装置です。圧力調整装置が目詰まりすると、中の圧力は規定を越えて上昇し、温度も非常に高くなります。そのときにこの装置が働きなべの圧を下げます。

●ステンレス鍋とアルミ鍋
圧力鍋はステンレス製とアルミ製があります。アルミ製は火の通りが良く扱いやすいです。ステンレス製は熱伝導が悪く突沸を起こすことがあります。ただ煮こみ料理の場合、アルミ製は 熱が逃げやすく、ステンレスは逆に保温能力が高いので煮こみ料理を多くやりたいという方はステンレス製を買うのが良いでしょう。
各社の圧力鍋を見ると判りますが、アルミだけステンレスだけで出来ている圧力鍋は、少なく現在は、アルミとステンレスの良い部分を組み合わせた圧力鍋が多くなっています。アルミとステンレスのどちらが良いかと、質問される方がいますが、どちらでも良いので、使ってみて下さい。そうすれば、圧力鍋の魅力が判りますし、どちらでも良いと思えると思います。

●圧力鍋の構造
構造としては、蓋をねじで締め付けるものと バヨネット構造でワンタッチロックのものとあります。前者は両手の大きなもの、後者は片手の小さなものに多く採用されています。普段から使うなら片手の浅いもののほうが便利ですが、豆等を煮るときには深いものが、一度に多く煮る事ができて便利です。安全性としては、どちらも同等ですが、蓋の取り扱いやすさはバヨネット方式のほうが楽です。

●圧力鍋の使い方
圧力鍋は、材料を鍋に入れ、加熱を初めて、蒸気が出始めた所から、調理が始まります。加熱時間○○分という場合、ここからの時間です。調理によって、加熱後の処理が違ってきます。一つは、急冷です。もう一つは、蒸らし時間が必要なものです。

 ☆ 急冷
急冷は、その時点で、調理を終わりにするという事です。急冷の方法は、圧力鍋の圧を下げる・又は、温度を下げる事になりますが、圧を下げる場合は、蒸気を外に逃がす方法になります。このとき、鍋の内部は、120℃近く有りますので、蒸気を逃がすと、内部が最沸騰してしまいます。材料によっては、形が崩れますので、注意が必要です。この方法は、あまりお勧めしません。

温度を下げる方法は、鍋のふたに、冷水をかける方法と水桶に水を張り、その中に鍋を付ける方法が有ります。ステンレス鍋の場合、熱伝導が悪いので、鍋を水につけると、鍋を壊してしまう事がありますので、注意が必要です。取り扱い説明書を読んで実施して下さい。

 ☆ 蒸らし時間
加熱時間が終わっても鍋の内部は、120℃近く有ります。そのまま放置すると、加熱が終わっていても、調理が進みます。料理によって、加熱○○分、蒸らし○○分といった場合、この蒸らし時間も大事な調理時間となります。圧力鍋の容量等にもよりますが、5〜10分の蒸らし時間も調理時間と考えて下さい。

●圧力鍋サイズと価格
サイズは、3g〜10g (業務用ですと、50gまであります。)
圧力鍋の定価は、10,000円〜40,000円ですが、実売価格は、2,800円位〜です。ホームセンター等を探すと、出物があると思います。
デザイン、材質、サイズにより、価格は、ピンからキリまであります。家庭で使うなら、2g〜6gのものがメインです。ご自分のライフスタイルに合わせて、選んで下さい。
高級品も良いですが、圧力鍋を使うかどうか迷っているときは、低価格のものを選んでみる方法もあると思います。